届かなかった想い、消せない想い
胸にしまってある想いは誰にでもあると思います。その想いは、一生届くことのない、そして消すことのできない想いとなってしまっていませんか。
母へありがとうが言えなかった
このブログをご覧いただいた方からのメッセージがあり記事にさせていただいております。
お母さんとは高校生になった時から反抗期の影響で口を聞いていなかった。パートで忙しかったお母さんが家を出る頃に目を覚まし、帰ってくることろには出かける日々。顔も合わすこともなかった。
高校の卒業式の時さえも顔を合わすこともなかった。
高校卒業後に実家を離れ就職した19歳の6月。お父さんからの電話でお母さんが亡くなったことを知ることになる。
車の運転中に居眠り運転のトラックに突っ込まれてしまった。
変わり果てた姿のお母さんと対面が久しぶりの再会だった。
悲しかった、絶望的に悲しかった。でもそれ以上に悔しかった。
反抗期から全く向き合って話していなかったからだ。
『ごめんね』も『ありがとう』も伝えられいない。子供の頃からずっと思っていた想いを伝えていないことが悔しいんだ。
もしあの時に〜
過去に戻ってお母さんに『ありがとう、大好き』と伝えたいんです。
この想いが今でも日々の生活の中で引きずりながら生きている。あの日に戻ってやり直したいことは誰にでもあると思います。それが人生を変えるほどの出来事であるなら、きっと今でも引きずりながら生きていることでしょう。
もしあの時に、お母さんに『ありがとう』と伝えていたら運命は変わったのかな。
後悔をしながら生きていく
よく人生は後悔の連続で、後悔の数だけ強くなれるし成長すると言われる。子供の頃、大人はそういって挑戦させていた。
この記事の方は、お母さんへの想いを伝えられなかったことの後悔を背負いながら生きている。決して前向きではなく、ダメな私というレッテルを貼って生きているのです。
作品のご依頼として『ありがとう』を伝えるお手伝いをしていますが、送り手と受け手の想いの違いにいつも驚かせられます。
一度も伝えていない感謝の言葉は、受け手には伝わっているのです。きっとお母さんは、反抗期以来言葉を交わしていなかったが、生きていることだけで幸せだったのだと思うんです。
お腹を痛め、命をかけて産んだ子供を嫌いになる訳はない。そして子供がどう想っているのかもわかっているはずです。
後悔は、何のためにしている?
自分への戒めではなく、これからの人生で同じ後悔をしないためにいま後悔しているはずです。
私はダメな人、ごめんなさい。
こんな考え方は絶対に変えてください。自分の人生を否定することは絶対にしないでください。
後悔は、新しい自分との出逢いのきっかけに過ぎません。
悔やんだことは、決して消えないでしょう。消すことはありません。ただいくら悔やんでも明日はやってくるんです。そして自分の周りには、大切な人はいるはずです。
私はこの記事を書くにあたり、この女性に一言だけメッセージを送りました。
いま側にいる大切な人に、『ありがとう』を伝えてください。
後悔とは、失ったものを嘆くことではなくて、残っている大切なものに気づくことだと強く思います。
人生は、前を向くことで変わる
お父さんに「ありがとう」
お母さんが亡くなった後も、私を支えてくれてありがとう。そしてこれからもお母さんの分まで長生きしてね。
そう伝えたそうです。照れくさいのでLINEで伝えると、しばらくしてから返信があり、
嬉しい言葉ありがとう。この言葉で救われたよ。お前が生きてることがお母さんの証明になるから、お前も長生きしろよ。
このような返信があったそうです。
ご本人もお父さんも「ありがとう」の言葉で人生が明るく照らされました。いまある大切なものに気づくことが自分の人生を見つめることになるんです。
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どうして伝えられない、たった『ありがとう』
一番言われて嬉しい言葉なのに、一番言えない言葉といえば『ありがとう』。自分の誕生日や大切な人の誕生日や記念日、母の日や父の日などの特別な日に感謝を伝える機会がありますので、ぜひ想っている「ありがとう」を伝えていってくださいね。
どうして『ありがとう』が言えないの?
ありがとうを言えない理由があるようです。自分に当てはまることも多いと思いますのでぜひご覧ください。
プライドが許さない
男性が女性に対して「ありがとう」が言えないということはよく聞きます。お礼が言えなかったり、謝れなかったり、男女問わずプライドが高い人は感情を表現することで相手に下に見られると想ってしまうようです。
当然自分の親に対してもプライドが許さないということもあります。
相手を下に見てる
プライドが高いために、「ありがとう」や「ごめんね」を伝えることは、相手に舐められると想ってしまう傾向がある。異性や格下に対して、特別なプライドがあり想いを伝えることはしません。
しかし第三者がいる場合は、「ありがとう」をいうことで評価が上がる可能性があるために伝えることがあります。
当たり前と想っている
ダントツでこの場合が多いです。「ありがとう」をいう必要性を感じないということです。
母親がしてくれることは、小さい頃からの当たり前の行動で、それが大人になっても感情の変化ない。そのため感謝はしているけれど、わざわざ「ありがとう」という必要もないと想っているのです。
それは、家庭内だけではなく社会に出ても多いにあるケースです。親切をされても「当たり前」だと想っていると感謝の気持ちも起きない。
日本人特有の【ゆずり合い】の精神が破綻してしまう危機です。
ありがとうが言えない人はどんな育ちだった?
近くにいる「ありがとう」が言えない人たちを思い返すとある共通点がありました。
私はスペシャル
自分を特別だと思っている人がこれに当たる。幼少の頃からの思い込みで、自分だけではなく家族や住んでいる環境が特別だと思っている。いわゆる裕福な家庭のケースが多くみられます。
常識のない家庭環境で育つ
一般的な常識を教えられていなく、「ありがとう」を言う理由や場面を教えていないと、感謝の感情はあるが、伝え方がわからなくなってしまう。
そして甘やかされたことで、何をしても怒られなかったり、努力もせずに褒められたことで「ありがとう」と言うこともなく育ってしまった。
大人になってから、出会う人にもよりますがこの常識が心の距離を離してしまうことが多いようです。
毎日『ありがとう』言えてる?
いろんなケースがありましたが「ありがとう」言えない人は、本当に多いです。
別に言わなくても人間関係に困らないし、わざわざ言うこともないよねと思っていると思います。それに思っていればいいでしょ?
おそらくそれが一般的です。実際に私もわざわざ言わなくてもいいでしょと思っていました。
友人がパニック障害になった
友人が大きな自動車事故で命の危機を迎え、無事に治療を終えた後に後遺症で【パニック障害】になった。車の運転も出来ず、会話もできないほど対人恐怖症にもなった。そんな友人は、こう言った。
『こんな不自由な体でも生きてるって実感するのは、母親のご飯だとかお前らの笑い声とか、ねれない時に見るテレビとか、雨が上がった後の太陽を見る時なんだ』
そうです。何気ない日常にたくさんの生きがいを見つけたんです。そして友人は、関わる全ての人や物に感謝するようになりました。
ありがとうを探す日々
友人からの影響で何気ない毎日に感謝を見つけるようになりました。
探してみるとどうでしょうか。至るところに溢れてるんですよね。すぐにたくさんの人からの支えで生きているんだと実感することになりました。
親切というかきっとモラルような「してはいけないこと」の線引きができることで住みやすい環境ができていて、自然と「ありがとう」が思えるんです。
「ありがとう」を伝えたい人
ありがとうを想うことはきっと簡単なことです。それを伝えることがなかなか勇気がいること。
「ありがとう」と伝えたい人を誰か一人あげてください
大切な人、彼女だったり、彼氏だったり、親だったり、きっと側にいる人を思い浮かべたはずです。
その人に勇気を出して『ありがとう』と言ってみてください!と言われても言える人はいないでしょう。恥ずかしい気持ちが勝ってしまうし、言った後が気まずいと思ってしまう。
ではこんな伝え方だったらどうでしょうか?
筆文字ポエムで伝える
誕生日や記念日に贈られる筆文字ポエム作品ですが、コロナが広がり会える機会が少なくなったことで、ご依頼も変わってきました。実は、今一番多いご依頼は大切な人へ『ありがとう』を伝える作品なんです。
普段から感謝を伝える作品が多いため、数多くいるアーティストからお選びいただいていると思いますが、驚くほどに増えてきています。
そして時期的には【母の日】が多くご依頼いただきます。いつも言えない「ありがとう」を作品にしてお母さんにお渡しいただきます。
ご依頼者様のご了解を得て作品を公開させていただきます。
母の日の贈り物
ごめんねもありがとうも
本気で思ってるから
言えないいつもほんとにありがとう
わたしを生んでくれてありがとう。
ちいさいころから
お母さんのように
優しくて強いひとに
なりたかった
少しでも近づけたかな。
母の日はいつも伝えられない想いを
伝えられる日。
母の日には
心の言葉を伝えてほしい。
人生を変える言葉になる
こちらの作品は、母の日に実際に贈られた作品です。社会人になってからなかなか母親との時間が作れず、会話もすくなってきて心の距離さえ感じてきた時に、いつも優しい言葉をかけてくれる唯一の存在。いつも感謝してるけどどう伝えていいかわからない時に、instagramで見つけていただいたそうです。
受け取ったお母さんは、微笑みながら涙したそうです。そして『ありがとう』と言ってくれたそうです。伝えたい言葉だったのに、逆に言われたそうです。
このお母さんへの『ありがとう』は、それまでのお母さんの人生を肯定する言葉になりました。
きっと皆さんの想いの言葉は、大切な人の人生を変えるものになるでしょう。
あなたが伝えたい言葉は、きっとあなたが一番欲しい言葉のはずだから。