求める、いじめの厳罰化
決してなくならない「いじめ問題」。小学生の時から社会に出てからもいじめは存在している。SNSでの誹謗中傷やネットいじめも増加している状況の中で、いじめる側の厳罰化が問題化されている。
学校でのいじめ厳罰化、自殺なら禁錮10年-フランス-
フランスで学校でのいじめを厳罰化する動きが進んでいる。2021年11月、国民議会はいじめ被害者が自殺または自殺未遂した場合に最大で禁錮10年と15万ユーロ(約2000万円)の罰金を科すことなどを定めた法案を可決。
現行法は、いじめ加害者が13〜17歳の場合は最大で禁錮2年6ヶ月と7500ユーロ(約100万円)の罰金、18歳以上の成年であれば最大で禁錮5年と7万5000ユーロ(約1000万円)の罰金が定められている。被害者が自殺または自殺未遂した場合に刑が重くなる。刑事責任を問われない13歳未満の加害者は罰則の対象外となる。
増え続けるネットいじめ
ここ数年でインターネットを通じた「いじめ」が増加している。フランス政府は、いじめ被害者のスマートフォンに届いた嫌がらせメッセージの画面を保存した「スクリーンショット」などを送信できる【通報アプリ】の運用を開始。
教育省の発表によるとフランスでは全児童・生徒の6%に当たる年間約70万人がいじめの被害に遭っている。報告されていないケースも多く、今回の法案によると実際の被害者は80万〜100万人に上回ると見られている。
ネットいじめで自殺した青年
フランスでは、いじめから発展した悲惨な事件やいじめに苦した青少年の自殺が大きな問題となっていた。SNS上に下着姿の写真が拡散されて以来、いじめの被害に遭っていたという14歳の少女が、同級生2人から橋から突き落とされてセール川で遺体で発見されるという事件があった。
また、同性愛者であることや人種的なルーツが原因でいじめを受けていた14歳の少女の自殺など、悲惨でショッキングな事件・自殺が続いていた。こうした背景によりフランスではいじめ対策を求める世論が高まり、厳罰化をもっていじめ防止につなげたい思いで、法案に踏み切った。
通報アプリの狙いは
SNSなどのネットいじめに関して、被害者や目撃者に、いじめの証拠となる画面のスクリーンショットを保存してもらい、その証拠を送ってもらう【通報アプリ】で、この証拠をもとにいじめの調査が行われる。LINE内のいじめなど友人同士以外のクローズドのやり取りだと、いじめの実態がわからないケースがほとんどです。SNSでのいじめの証拠を簡単に保存できるために、こうした通報制度によっていじめの実態を把握し、帽子に役立てようというのが狙い。
日本でも悲惨ないじめの事件
記憶にも新しい北海道旭川市でいじめを受けていた中学2年生の少女がいじめを受け続け凍死するという悲惨な事件があった。これまでのところ、このケースでのいじめ行為は傷害などの犯罪の構成要件は満たさないと見られている。現在の刑法では、いじめ行為では「罪」を問うことは難しいようだ。
事件を受けてのフランスの対応
フランスのマクロン大統領は、このいじめの事件を受け、インターネットSNS上に投稿した動画で
「いじめの被害に遭っている全ての若者へ。我々は君たちの味方だと知ってほしい」
と支援を表明した。
いじめの考え方を変えるとき
いじめは目に見えにくいものであり、人によって受ける感情は違ってきます。ちょっとした言葉の攻撃でも心に傷を負おう人もいます。
そして「いじめはカッコ悪いもの」といじめられる子が思ってしまい、誰にも相談できないケースが多い。
「私が悪いんだ」と思い込み、心の病に悩む子もいます。いじめの問題の根幹は、逃げ場がないことといじめの証拠が見つからないこと。
目の前で暴力行為が行われていれば傷害事件として見られるが、無視や言葉での暴力、SNSでの誹謗中傷は身体的な傷害ではないため、事件化されにくい。
今回のフランスのように、政府が受け皿となり支援してくれることは被害者にとって大きな心の支えになるはずです。一日も早く日本も対策してほしいものです。
いじめの問題は、他人事ではない
学校だけで行われているわけではなく、社会に出ても大人のいじめは存在している。会社でのいじめも大きな問題となっており、パワハラやセクハラによる身体的、精神的な傷を負うケースや職場での仲間はずれや職場での誹謗中傷などで居場所を奪うケースも多くある。
いじめの問題は、当事者同士の問題だけではなく、周囲の環境を作る人たちに大きく影響する。周知していながらいじめが行われていることが多いため、「今更止められない」と目を瞑るケース、思い当たる人は多いはずです。
いじめを創り出す環境は、いじめる人ーいじめられる人ーいじめを見てる人ー何も知らない人、これらの人たちで形成される。当事者よりも割合の多い「見てる人ー知らない人」がいじめに対してどう向き合うのかが、いじめを見つけ出し、最悪のケースを防ぐかもしれない。
もしあなたが、どちらかの立場になったときに、勇気ある決断をすることを心から望みます。
痛みも幸せの糧になる
ひとつひとつの痛みも、いつか幸せの種となり未来を明るく照らす花を咲かせるはずなんです。
痛さを知ってる人は、人を助けられる強さがあります。痛みを知らない人は、気づいたときには周りには誰もいなくなります。人を傷みつける人は「孤独」ということ。
人は、いろんな傷を抱え進化してきました。本当に強い人は弱さを認められる人。そんな強い人の周りには、守ってくれるたくさんの人がいるからです。
一人じゃないって最強なんです。友達が多いとは違いますが、ただ守ってくれる人だけではなく、守りたい人もつながっている人です。
痛みは、弱さじゃない。弱みは、恥じらいじゃない。
本当に強い人になって、たくさんの人を笑顔にしてあげましょう。
過去は消すのではなく、新しい自分がアップデートするんです。
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命を救った大切な人の言葉
記事掲載の理由
今回の記事は、ご依頼者からの希望により書かせていただきました。作品は、お子様に向けた想いの言葉です。イジメによって3年間苦しみ自ら命を絶とうとした13歳の命。見つけられなかった子供からのSOSサインは親と子供との距離を離していった。
この記事で言葉の大切さやいじめの実態・現状を知っていただけたら嬉しいです。またそれがご依頼者のご意向ですので、ぜひご覧ください。
見抜けなかったSOS
昨今、小学生のいじめは昔のいじめとは違ってきている。暴力や暴言など目に見えるものではなく、見えない暴力でのいじめが主流となっています。スマホやタブレットを手にすることが増えいじめの手段が増えていったのが原因です。
以前では、クラス内で行われていたいじめは、今では【大人】の目の行き届かないLINEや掲示板での誹謗中傷に変わってきている。あからさまにLINEグループから除外したり、ありもないことを掲示板に書いて精神的な苦痛を与えてくるのです。
小学校から支給されるタブレットには学校の監視下の上、利用されているにも関わらず学校は見抜けないのかが、保護者の間で疑問化されていたようです。
現状を聞いて愕然とした。誹謗中傷や個人を特定するような投稿は、学校で削除しているという。一見、監視されているように聞こえるが、被害者を救っているのはなく加害の証拠を隠滅しているのだ。
2013年に制定された「いじめ防止対策推進法」では、第28条第1項に「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認める」事態(自殺等重大事態と呼ばれる)を「重大事態」と定義。重大事態が起こった際には「速やか」に教育委員会などに報告し、第三者委員会を立ち上げて調査することが求められている。
このような救済手段を理解している教育者が、隠蔽することなど決して許せない。
子供は、【いじめはいけないもの】と理解できています。だから大好きなお母さんやお父さんには言えないのです。自分で解決しようと10歳の子供が毎日想っているのです。辛くて辛くて考えるだけで涙が出てきます。
逃げ場がない日々、いじめはそんな日々を生み出すんです。
ご依頼者は、ずっと後悔していると言う。自分の子供がいじめられているなんて思わなかったと言うより、いじめというものから逃げていた。
きっと毎日SOSを発信していたに違いない。
『今日学校楽しかった?』何気ない言葉がチクチク心を刺していたと思うと後悔しても仕切れない。だって毎日、子供は笑っていたから。
子供からのSOSは、どのようなサインだったのか
- 学校の話に個人名が出なくなった
- 学校の行事を知らせなくなった
- 外食が嫌いになってきた
思い返すとこのようなSOSがあったようです。「今日楽しかった?」と聞くと必ず〜ちゃんと遊んだよ!など個人名が話に出ていたのに、「楽しかったよ」「体育で疲れた」などと具体的な話では亡くなった。
学校の行事も話さなくなったのもサインだった。学校に親がくることでいじめられていることがバレてしまうからだという。授業参観や遠足などの行事はいつも直前までわからなかった。
大好きなお寿司屋さんは10歳になってからは行かなくなていた。外食先で友達に会いたくないからだ。また幸せな家族を見ると自己嫌悪に陥るために、外食は避け初めていた。
たった10歳の子供が抱え込む問題として、これからの人生を変えてしまい兼ねない重大なこと。
問題なのは、後にしか気づけない分かりづらい子供のSOSだということです。毎日一緒にいるのに気づかないSOS。
行かなくなった学校
13歳になった。中学校になれば変わると思っていた。しかし、小さな街では小学校から中学校に上がるのに、生徒は変わらない。
入学式で問題が起きる。クラス分けを知らせる掲示板に書かれていた名前に【✖︎】と書かれていたのだ。その時に親はいじめを目の当たりするのだ。
子供は、泣き崩れながら母親にしがみ付き
「学校行きたくない」と言ったそうです。
初めて助けを求めてきた子供を抱きしめ
「いいよ。頑張って言えたね。お父さんとお母さんが守ってあげる。」
そういうと子供は3年間のいじめの実態を話してくれたそうです。
勇気と決断の日
全てを話してくれた子供の勇気。いじめられることが悪いと思わせてしまった罪悪感からネガティブになってしまう両親を今度は子供が勇気付けた。
「お父さん、お母さん。心配かけてごめんなさい。私、学校行きたい。あの学校には行きたくないけど違う学校で頑張りたい。だから応援してくれる?」
勇気のある言葉です。この言葉で両親の心は動き始めました。全くゆかりのない地へ引っ越し家族みんなで新たな人生を歩むことを決断するのです。
このお話を聞いて涙が止まりませんでした。きっとお子様は3年間いろんな想いで生きていた。いじめられていることの悔しさ、悲しさ、憎しみを抱えながら。
そしてこの言葉を言える心の強さ。いま笑えていることの幸せを強さに変えて伝えてくれたんですよね。言葉を扱う者として人生が変わるほどの言葉です。
今回の作品はこちらです。
ご両親からお子様へ向けた想いの作品です。前向きに生きるお子様へのちから強いメッセージ。
過去を忘れるのはなく、勇気に変えながら家族みんなで乗り越えていこうという想いを書かせていただきました。
痛みや悩みが生きてる証
笑顔や涙が生かされてる証だって想うんだ。
あなたとの命のつながり、いつも感じています。
強さの先に
いまこの記事を書かせていただきましたが、この作品をお子様に贈られたのは3年前。
16歳になったお子様は、勉強を頑張り進学校に進み一つの夢を見つけたそうです。
私みたいな子を救える先生になる
あの時、助けてくれなかった先生を憎むのではなく【私だったら】と思えるのは、きっと両親から受けている愛の証なんだって強く思います。
改めて言葉を届ける作品に関われたこと幸せに思います。
いじめが無くなり、この記事が読まれることで救われる人が一人でも増えること心から願っています。