amazon primeで配信中【望み】レビュー
「望み」のストーリー
一級建築士の石川一登(堤真一)とフリー校正者の妻・貴代美(石田ゆり子)は、一登がデザインした邸宅で高校一年生の息子・規士(岡田健史)と中学3年生の娘・雅(清原果耶)と幸せに暮らしていた。
規士は、怪我でサッカー部を辞めて以来、遊び仲間が増え無断外泊をするなどつかみどころがない存在になっていた。高校受験を控えた雅は、私立の有名高校の合格を目指し、日々塾で勉強に励んでいた。
冬休みのある日、規士は家を出たきり帰らずに連絡が途絶える。翌日、一登と貴代美が行方を心配していると、ニュースで同級生が殺害されたと流れる。ここから急展開する。
警察の調べによると、規士が事件に関与している可能性が高いという。さらにはもう一人殺害されているという噂がネットで広がる。
一登、貴代美、雅のそれぞれの望みが交差していく。
極限の選択:生きてほしいか、死んでいてほしいか。
はっきり言ってずっと重い映画です。子供がいる方だったら本当にキツい。心にゆとりがあるときにご覧になってくださいね。
規士が殺人犯なのか、被害者なのか。殺人犯であれば、生きている。殺人犯でなければ、被害者として死んでいる。
あなたは、どちらを【望み】ますか?
父・一登は、息子を信じていきます。人を殺すくらいなら被害者であってほしいとさえ思ってしまいます。母・貴代美は、殺人を犯しても生きていてくれればいいと思っていきます。この対照的な考え方がこの作品の肝となっていきます。
父と母の想いの違い
父から息子への愛情と母から息子への愛情の違いは明らかです。父は息子を自身と置き換えることで自分を信じるかのように息子へ期待するだろう。母は守りたいという愛情・母性を息子へ与え続けるだろう。
この2つの想いは、現実でもあり得ることですよね。犯罪をしても最後まで信じていたのは親であるし、何があっても自分の子供である以上は守り続ける。
誰にでも起こり得ることだった
思春期を思い出すと誰しも「危うい」瞬間があったでしょう。ちょっと踏み外したら罪を犯していたかもしれない。そんな思春期は誰しもが経験するもので、中学生や高校生の正義感は直感と本能で動くものだと思います。
規士は、正義感が強いが為に事件に巻き込まれることになるんです。そして、警察官が言っていた「ちゃんとした子に限って、親に相談せずに自分で解決しようとする」この言葉にハッとさせられる。
今日もどこかで起きている事件
この「望み」の話は、今日もどこかで起きていると言う現実を突きつけられる。SNSで誹謗中傷や事実ではないことの書き込みなど、当たり前にあること。犯罪者の家族は晒しあげられ、被害者の家族は一生その事実を背負うことになる。隣り合わせになってしまう話をここまで具体的に描かれた映画は、初めてでした。
すれ違う人にも人生があり、今もどこかで亡くなる人が人生を終えている。当たり前のことが、ある日崩れていく様は、地獄ようでありエンタメをしてみること出来てしまう。
私たちが「見方」を変えることで、救える人生があるのかもしれません。
この映画は、自身がどんな人生をあるんでいるかで、捉え方が変わっていると思います。部活を諦めたり受験を失敗したり、親と仲が良くなかったり、人を傷つけたりしたり。
ぜひあなたはどう映ったのか教えてくださいね!